鍼灸の施術の「前と後」に左右差を触る:5分で足せる評価の工程と、再評価で患者に見せるもの
前の2記事で、鍼灸師が「手で評価する工程」と「解剖の共通言語」を持つ意味を書きました。この記事は、その工程を施術の前後に5分で足す手順です。鍼の選穴や刺鍼の方法は扱いません。前後に触る工程だけです。
前:打つ場所の根拠を作る(3分)
例1:腰部の訴え → 骨盤の高さと前側の筋
藤井翔悟の仙腸関節の解説動画の順番です(出典1)。
- 仰向けで、左右のASIS(上前腸骨棘)に指を置く
- 高さの差を見る。縮こまっている側(引き上がって見える側)を確かめる
- その側の大腿筋膜張筋(ASISの下外側)の筋腹を触り、反対側と比べる
- 差を一文で記録する(「右ASISが高く、右の大腿筋膜張筋が硬い」)
動画では「ASISの高さが揃っていないところで、縮こまっている側があれば、そちら側の仙腸関節の可動性が悪いことが多い」「邪魔しているのが前側の大腿筋膜張筋」と説明されています(出典1)。この記録が、施術の根拠と、後の再評価の基準になります。
例2:下腿・足部の訴え → 後脛骨筋の腱
膝痛の指導動画の触り方です(出典2)。
- 内果(内くるぶし)を見つける
- 内果の真ん中から下へ指でなぞり、「グリッとした」後脛骨筋の腱を見つける
- 腱を持ち、足関節を動かしてもらい、指の下で腱が滑るかを確かめる
- 左右で比べ、差を一文で記録する
動画では、腱を持って「グッとした時に、ここがふわっと緩む」手応えを受講者に確認させ、分からない受講者には「もっと手を突っ込んで内側に行こう」と位置を変えさせています(出典2)。
後:変化を患者に言葉で返す(2分)
施術の後、前と同じ場所を、同じ手順で触ります。
- 例1なら、ASISの高さと大腿筋膜張筋の硬さを、もう一度左右で比べる
- 例2なら、後脛骨筋の腱を持ち、滑りと硬さをもう一度比べる
- 前の記録と比べ、変化を一文で言う(「右の筋の硬さが、左に近づきました」)
- 患者に「ご自身でも何か変わりましたか」と聞く
この2分で、患者は「見てもらった」「変化を確かめてもらった」と感じます。これは鍼の効果の説明ではなく、評価と再評価の報告です。効果を約束する言葉にはしません。
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LINEで無料動画を受け取るセミナーの日程を見る前後で「同じ手順」にする理由
前後で触る場所や強さが違うと、変化が本当にあったか分かりません。同じ骨の目印から、同じ距離、同じ強さで触る。これが再評価の条件です。動画が骨の目印(ASIS、内果)から触る手順を示しているのは、再現できる手順だからです。
5分の内訳
| 工程 | 時間 | 言うこと |
|---|---|---|
| 前の評価 | 3分 | 「骨盤の高さと、前側の筋の硬さを左右で見ます」 |
| 施術 | 通常通り | (このサイトでは扱わない) |
| 後の再評価 | 2分 | 「同じ場所をもう一度見ます。右が左に近づきました。ご自身ではどうですか」 |
注意点
- 評価は仮説です。「可能性がある」「見ます」「近づきました」までの言葉で止めます
- 施術所名と症状・効果を並べた表現は、広告の規制に触れることがあります。患者への説明でも、記事でも、効果を断定しません
- 動画にない評価を足さないでください。ここに書いた2例は、動画にある範囲です
まとめ
- 施術の前に3分、骨の目印から左右差を触って記録する
- 施術の後に2分、同じ手順で触って変化を一文で返す
- 前後で「同じ場所・同じ手順」が再評価の条件
- これは効果の説明ではなく、評価と再評価の報告
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LINEで無料動画を受け取るセミナーの日程を見る- 藤井翔悟「仙腸関節」解説動画の文字起こし(ASISの高さの左右差、縮こまっている側、大腿筋膜張筋を前側から見る):株式会社藤井翔悟事務所 内部資料
- 藤井翔悟「膝の痛み」指導動画の文字起こし(後脛骨筋腱の触り方、持ったときに緩む手応え、「分からなければもっと手を突っ込んで内側へ」):株式会社藤井翔悟事務所 内部資料